次世代の徒手療法DNMとは?

DNM神経整体

カナダの理学療法士であるダイアン・ジェイコブス先生が最新の疼痛科学と神経科学を基に完成させた徒手療法がDNMです。

DNMはデルモ・ニューロ・モデュレーティングの略で

デルモは皮膚

ニューロは神経

モデュレーティングは変化

「皮膚から神経系を変化させるきっかけを与える」という意味があります。

ダイアン先生はカナダの理学療法界では知らない人のいない理学療法の最先端を走る先生です。

ダイアン先生は50年近くに及ぶ理学療法の経験から

慢性疼痛でお悩みの方は筋骨格系や筋膜など組織へのアプローチではなく、

脳を含めた神経系へのアプローチこそが重要だということに気づきました。

皮膚に触れるということは皮神経へ影響を与えることができるとの考えで2005年にDNMを開発し世界に広める活動をしています。

カナダやアメリカを中心に世界20か国に広がっており、

21世紀の徒手療法として徒手療法界から注目を集めています。

DNMの特徴

最新の疼痛科学に基づいている

痛み(侵害受容)を与えない

受け手の感覚を大切によく聴く

受け手の心地よさを大切にする

神経系へless is more(少ないことはより良いこと)でフォーカスを向ける

痛みをアウトプットする中枢神経系へ直接つながっている皮神経と末梢神経へアプローチすること

痛みが変化するまで静かに3分以上待つ

神経系とは

脳と脊髄の中枢神経系

交感神経、副交感神経の自律神経系

皮神経を含めた末梢神経

疼痛科学では痛みは身体から脳への侵害受容のインプットではなくて

脳からのアウトプットであることがわかっています。

だからこそ脳を含めた神経系へアプローチします。

重要になってくるのはバイオ・サイコ・ソーシャルという考え方。

バイオ(生物的)・サイコ(心理的)ソーシャル(社会的)の影響が脳からのアウトプットには影響しています。

バイオ(生物的)、つまり身体的には末梢神経が全身に72km分布しており

身体の色んな所で負荷を受けてます。

末梢神経や皮神経の状態を徒手で変化させることを身体へのアプローチとしてDNMでは主として考えています。

圧痛点という押すと通常の状態よりも敏感に痛みを感じてなっている個所は末梢神経の状態が敏感になった結果だと考えます。

その原因として神経コンテナと呼ばれる神経周囲の組織による圧迫、絞扼、

日常の姿勢や体の使い方による持続的な伸張ストレスや摩擦なども考慮します。

末梢神経内には血流があり、そういった機械的刺激に影響を受け、さらに負荷が持続的に起こることで神経束自身が軽い炎症状態になります。

そうすると神経の血流の流入不足や排出不足が起こります。

そして神経内の侵害受容性線維が刺激されることで脳からのアウトプットとして痛みが起こる原因となったり、脊髄による逃避反射として筋緊張や可動域制限が起こります。

他の徒手療法では重視していなかった神経系を大切にする

そうすることで既存のアプローチをより活かすことができます。

DNMは一つのアプローチというだけではなく、全ての徒手療法を神経系から説明する説明モデルでもあります。

大切なこととしてDNMでは組織や構造を永続的に変えようとはしません。

そのかわり、どのように皮神経、末梢神経に語りかければ、中枢神経がそれをどのように知覚して出力である痛みや筋緊張や血流がどのように変化するのかを考えます。

組織ベースの疼痛モデルではなく、神経ベースの疼痛モデルに基づく画期的なアプローチといえます。

DNMの5つのアプローチ

浅層の皮神経にはスキン・ストレッチやバルーン・テクニック

深部の末梢神経にはコントラク・トリラックスという等尺性収縮後の弛緩アプローチ

そしてポジショナル・リラクゼーションという神経をスライドさせたり弛緩させたりするアプローチがあります。

これらのアプローチを行う際に意識すべきことがあります。

触れるときは優しく

動かすときはゆっくりと

評価で可動域を確認するときは最大の可動域だけではなく動きに伴う個人的な感覚を受け手の方に尋ねます。

スキン・ストレッチやポジショナル・リラクゼーションの場合は3分以上静かに待ちます。

ただし受け手の方の感覚を最優先にします。

受け手の方に感覚(アプローチ中にきつくないか、つらくないか、しびれは出ないかなど)を尋ねます。

痛みやしびれが出たら3分経たなくても途中で中断します。

逆に楽に感じたり心地良いと感じる場合は3分以上続けます。

アプローチの方向を選んでいただくときも受け手の感覚を細かく尋ねます。