治そうとするほど治らないことも・・・
僕自身、整骨院業界で20年働いてきて、肩の痛みでお悩みの患者さんをみさせていただくことが多いのですが、こんなご質問をいただくことがあります。
「マッサージ屋さんに行ったんです。結構、キツめの痛いマッサージでしたが、直後はすっきりしたのですが、次に日揉まれたところが痛くなってきて、それが3日間ほど続きました。その後は痛みはましになりましたが、また凝ってきたので同じところに行きました。また同じことが起きたのですが、1度は楽になっているので治るかと思っていくのですが、同じです。揉まないほうがいいのでしょうか?」
というお悩みです。
痛いマッサージほど、そのあとのすっきり感が強いなんてこともあって、頼りたくなってしまいますよね。
結論から言うと、痛いマッサージは基本やらない方がいいです。
マッサージというのは大原則、筋肉の緊張をゆるめる、ほぐすためのものです。
そのために筋肉に外から心地よい刺激を加えることで、血管や神経も圧迫されたり開いたりという動きが出ることで血の巡りが促進されたり、神経的にも気持ちよさが副交感神経を刺激して筋肉のリラックスに繋がります。
筋肉は粘土ではありません。
世間的なイメージとして、筋肉を押せば押すほど「物理的」が柔らかくなると思われています。
このイメージがあるせいで、強い痛いマッサージこそ効果があると思ってしまいます。
でも、本当にマッサージで物理的に筋線維に影響を及ぼそうとするなら、そうとうな力が必要が必要です。
そこまで押すと毛細血管や皮神経が損傷し場合によっては筋挫傷という大ケガになります。
柔らかくなるどころか逆効果です。
ただ、実際には筋挫傷を起こす前に身体を保つホメオスタシスは防御反応として筋肉をより固めます。
毛細血管や皮神経が損傷した場合は修復される際に炎症反応が起き、発痛物質が出されます。
強く揉まれると筋肉は固まり痛くなってくるという、これが「揉み返し」の正体です。
つまり‘‘損傷‘‘です。
筋肉は粘土ではありません。
強く押すほど柔らかくなるわけではありません。
ヒントは神経系
むしろ硬い個所にこそ、より優しい刺激です。
筋肉の硬さも柔らかさも脳を含む神経系が支配しています。
神経系の中にこそ肩こり解決のカギがあります。
しかし強い、痛いアプローチを受け続けてきた方は
マッサージの強さを強くしていかないとマッサージの効果がないように感じます。
一度強く押されてすっきりしたという成功体験があるので強い刺激に依存するようになります。
普通なら痛い刺激も脳の報酬系が反応してしまい快感になっていきます。
脳は痛みに敏感になるのに皮膚感覚は鈍くなるので、コリの個所は常に不快感や違和感を感じるようになっていきます。
それを打ち消したくて強い刺激を求めてしまうのです。
強いアプローチでの危険性はご理解いただけたと思うので次回は
肩こりの根本である筋肉の緊張を深掘りしていきましょう。